ロシアにおける代理出産の現在の法的ステータス(2025年11月現在)
2022年12月19日、連邦法N538-FZ「ロシア連邦の特定法改正」に基づき、ロシアでは外国人(及び無国籍者)による代理出産依頼は禁止と法定化され2023年から施行。ロシアでの代理出産依頼は婚姻下の少なくとも一人の配偶者がロシア連邦国民、または、医療上、妊娠・出産が不可能な独身のロシア国民である女性に限られる。
|直近の動き-直近の法改正(2022年12月 法案公布)
2022年12月、下院(ドゥーマ)は 外国人による代理出産禁止法案 を可決
2022年12月8日、2021年にロシア下院(デゥーマ)に提出されていた“外国人および無国籍者によるロシア国内での代理出産契約禁止草案”が正式に採択され、14日に 連邦評議会(上院)にて承認、19日にプーチン大統領が署名を行い、外国人・無国籍者による代理出産は禁止の法律が成立した。この法により、ロシアでの代理出産は外国人のみの依頼は不可となり、配偶者の一方がロシア国籍である場合などに限られている。
|ロシアの代理出産の歴史
インドが扉を閉じた後、ロシアは世界で少ない代理出産合法の国であった
2013年以前は、世界における代理出産の規制や法規はほぼ存在しなかったが、当時、最も代理出産が盛んであったインドによる商業代理出産が2013年にインドン政府により代理出産を規制する動きを始まったことから商業代理出産が合法である数少ない国のひとつであったロシアにも依頼者が流入した。
2019年の代理出産による赤ちゃん死亡事件
ロシアの代理出産は1996年頃から始まり、2011年末に商業代理出産が認可され、2012年1月に連邦法により商業代理出産が合法化された。しかし、2019年末、フィリピンの代理出産依頼から出生した男児の赤ちゃんが、モスクワ郊外の賃貸アパートで脳の手術後、死亡した事件が起きた。警察が捜査に入ったときには、フィリピンからの依頼人は渡航前だったことから不在で、赤ちゃんの世話をしていた雇われ乳母のみと、死亡した赤ちゃん、そして、その他に、フィリピンからの依頼による3人の赤ちゃんが発見され、表面化した。3人の赤ちゃんのうち、3か月の双子は、フィリピンの国会議員であるフレデニル ヘルネス カストロ氏が依頼した子供であることも発覚し、ロシア警察は人身売買の犯罪の容疑をかけ、ニュースは世界に流れることになる。関係者は人身売買の犯罪の容疑により全員逮捕された。
2020年コロナ禍での混乱
この事件の直後、2020年3月にコロナ禍が勃発し、代理出産の依頼者は、赤ちゃんを迎えに渡航できない状況となった。その結果、ロシア政府は1000人近い代理出産からの赤ちゃんの存在を目の当たりにし、厳重な取り締まりを加速さ
外国人依頼による代理出産禁止法案の成立まで
その後、2021年春に、ロシア議会下院に、外国人が代理出産を依頼することを禁止する法案が提出された。ロシア政府はこのころ、代理出産は人身売買である、と定義し、その時点ではまだ合法であった代理出産から出生した赤ちゃんの出国差し止めが命令され、外国人依頼者は逮捕された。
プーチン大統領の価値観と法改正の背景
プーチン大統領は、もともと、父親と母親によって形成される伝統的な家族のありかたに価値を置いており、代理出産が同性愛者に利用されてことも問題であった。
ロシア政府のコロナ禍勃発(2020年)後の代理出産から出生した赤ちゃんの出国を差し止めに対し、2021年5月には、20ケースの中国人依頼者が、ロシアの裁判所に提訴している。
ロシア代理出産禁止の動きを記していた清水直子代表による警鐘(2021年の発信)
当時、ロシア国内ではこのように代理出産に対する規制しようとする動きがあり、外国人に対する法案も提出されていた報道は大きく注目されなかったものの、日本では正しい情報がなく、代理出産斡旋会社に依頼をしている邦人がいるという報告も多くあった。さくら代表は2021年9月にさくら本社ホームページ、及び、米国の新聞に、ロシアにおける外国人代理出産は今後、禁止に向かっている、と警告を発信していた。
(ジェンヤ・イリーナ情報アナリスト取材)

さくらライフセイブアソシエイツパートナー
ジェンヤ・イリーナ情報アナリスト
ロシア出身アメリカ人

